香水だけではもったいない。空間でも楽しみたいバニラの香り
目次 手作業で長い時間をかけて引き出される、バニラの香り 発酵と熟成が引き出す香りの深み 幸福感や心地よさをもたらし、時代や性別を超えて愛される香り 香水の歴史を彩るバニラの登場 やさしく穏やかなバニラの香り。香水だけでなく、空間でも楽しみたい アロマディフューザーで広がる心地よさ まろやかなバニラの香りに包まれた、やさしくてあたたかな時間に 高品質で知られる希少なサステナブル香料を採用 HUGGING VANILLA(ハギング バニラ) ▼本マガジン記事でご紹介した商品はこちら 手作業で長い時間をかけて引き出される、バニラの香り あたたかく、心地よく、リッチなバニラの香り。子供のころの楽しい思い出や、甘いお菓子の香りの余韻を呼び起こしてくれます。 バニラの親しみやすい香りは、香水で最もよく使用される原料のひとつです。 生産地はマダガスカルやレユニオン島、その他インド洋諸島。原材料は、熱帯ランの一種「バニラ・プラニフォリア(Vanilla planifolia)」の果実「バニラポッド」。ラン科バニラ属のうち、主に学名Vanilla planifoliaの莢果(とうか:さやに包まれた果実)です。 成熟前のバニラポッドを発酵させたものを「バニラビーンズ」といい、これがバニラの香料のもとになります。世界で2番目に高価なスパイスと言われる大きな理由が、栽培にかかる手間。収穫までに、とても長い期間と労働力が必要なのです。 まずバニラの花は、バニラの木が大株に成長しないと咲きません。花が咲くまでには3年以上かかります。でも、花の寿命はたった1日。このわずかなタイミングを逃さず、人の手を使って受粉させます。 受粉後、バニラの木は約1カ月をかけてバニラポッドを実らせます。そこから7~8カ月間待ち、成熟前の未熟なバニラポッドを採取します。この時点で、甘い香りはまだありません。 発酵と熟成が引き出す香りの深み バニラの芳醇な香りは、採取したバニラポッドを手作業で2~3週間をかけて発酵・熟成させていく中、少しずつ引き出されていきます。 つまり、採取までの期間はトータルで約9カ月。それほど手間がかかることが、バニラビーンズがサフランに次ぐ高価なスパイスといわれる理由です。しかも世界的な需要の高まりもあり、バニラビーンズの卸売価格はここ5年で約10倍に高騰。今や、銀の平均小売価格を上回る勢いとなっています。 幸福感や心地よさをもたらし、時代や性別を超えて愛される香り そんなバニラの香りは、実はバラエティに富んでいます。 皆さんがよく知っている、甘いお菓子を連想させる香りは「グルマンノート」といいますが、それ以外に木やレザー、ラムの香りがするものもあります。また、寺院でお香として用いられたり、シガーの香りづけなどにも使われてきました。 香水の歴史を彩るバニラの登場 現代の香水の世界にバニラが初めて登場したのは、1921年のことでした。「ゲラン」がその象徴的な作品「Jicky」に、バニラの香りを加えたことが始まり。以降、その親しみやすい香りは時代を超えて愛され続けてきました。...