伽羅(きゃら)とは、香木の中でも希少価値の高い沈香(じんこう)の一種。その成熟した香りはかつての戦国武将や貴族にも愛され、珍重されてきました。伽羅の香りの特徴や歴史、そして香道についてご紹介します。 目次 伽羅はどんな香り? そもそも伽羅とは? 伽羅は香木の一種 沈香とは? 伽羅は、「沈香」の中でも最上級 白檀(びゃくだん)は伽羅とは異なる香木 伽羅の歴史と背景 志野流とBÉLAIR LABのコラボレーション 伽羅の香りを楽しめるアイテム 伽羅はどんな香り? 伽羅はウッディーでほんのりと甘く、そのなかに印象的なスパイシーさが広がる、奥行きの感じられる独特の香りが特徴です。甘さ・辛さ・渋み・苦み・酸味などが混ざり合って、美しく調和した「五味(ごみ)」を感じることができ、濃厚でありながら洗練された優雅さを漂わせることから、日本を代表する芸道の1つである「香道」でも珍重されている香りです。 常温ではあまり香りを感じられず、150度以上に温めることで樹脂の成分が蒸発して本来の香りを感じることができます。 そもそも伽羅とは? 伽羅は香木の一種 香木とは広義には樹木から採れる香料のことですが、主に伽羅・沈香・白檀の3つを指します。白檀は原木の状態でも芯材部分に芳香がありますが、沈香・伽羅となる原木には香りがなく、樹脂が長い年月をかけて変質・熟成することで香りを放つようになるというのが大きな違い。さらに、沈香の中でも最上級のクオリティを持つものが伽羅と呼ばれます。 沈香とは? では、そもそも沈香(じんこう)とはどんなものなのでしょうか? 沈香は、自然界の偶然によって生み出されるもの。樹木が傷ついたり菌に感染したりすると、自己防衛のために樹脂を蓄積させます。その樹脂が凝結し、長い年月をかけて変質・熟成し、特有の香りを放つようになることで沈香が出来上がります。 木は本来軽く水に浮きますが、ぎっしりと樹脂が詰まって比重が重くなると水に沈むことから「沈」という字が用いられていて、沈水香木(じんすうこうぼく)と表現されることもあります。沈香になる木は、主に東南アジアの熱帯林に自生する特定(ジンチョウゲ科)の木です。この香りは自然の中で何十年、何百年もかけて作られるため、人工的に短期間で再現することはできません。 国際的にも沈香の需要が高まり、環境破壊や過剰伐採によって資源の枯渇が懸念されることから、香舗や流派のなかには、東南アジアで植林を行うなどして人工栽培に取り組む活動を進めているところもあります。 伽羅は、「沈香」の中でも最上級 伽羅は、沈香のなかでも最上級のクオリティのものに分類されており、その希少性の高さから「香木の王様」とも呼ばれ、古くから多くの人を魅了してきた貴重な存在です。ベトナムの限られた地域からごくわずかしか産出されず、また、香りの生成に長い年月を要するため、古来よりその価値は金に等しいとされてきました。 世界で最も貴重とされる香りの1つに数えられ、自然の神秘や力強さを象徴するものとして、古くから天皇や将軍、貴族などに愛されてきました。 伽羅は、文化的価値を持つ、歴史ある貴重な素材として珍重されてきたのです。 白檀(びゃくだん)は伽羅とは異なる香木 香木の代表例として、白檀(サンダルウッド)はよく知っている人も多いのではないでしょうか? 各地で幅広く用いられてきた香木で、お香や彫刻、仏具、アロマオイルなどにも多用されていますね。落ち着きのある、爽やかな甘い香りが特徴です。 通常、香木は加熱していない状態ではあまり香りが感じられないか、しても少し香りがする程度ですが、白檀は加熱していない常温でも強い芳香を放つのが特徴。伽羅も白檀もどちらも高貴な香木として有名ですが、希少価値が高く入手困難な伽羅に対して白檀はさまざまなシーンで多用されるポピュラーな香木で、お香の原料に最も多く用いられています。...
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目次 手作業で長い時間をかけて引き出される、バニラの香り 発酵と熟成が引き出す香りの深み 幸福感や心地よさをもたらし、時代や性別を超えて愛される香り 香水の歴史を彩るバニラの登場 やさしく穏やかなバニラの香り。香水だけでなく、空間でも楽しみたい アロマディフューザーで広がる心地よさ まろやかなバニラの香りに包まれた、やさしくてあたたかな時間に 高品質で知られる希少なサステナブル香料を採用 HUGGING VANILLA(ハギング バニラ) ▼本マガジン記事でご紹介した商品はこちら 手作業で長い時間をかけて引き出される、バニラの香り あたたかく、心地よく、リッチなバニラの香り。子供のころの楽しい思い出や、甘いお菓子の香りの余韻を呼び起こしてくれます。 バニラの親しみやすい香りは、香水で最もよく使用される原料のひとつです。 生産地はマダガスカルやレユニオン島、その他インド洋諸島。原材料は、熱帯ランの一種「バニラ・プラニフォリア(Vanilla planifolia)」の果実「バニラポッド」。ラン科バニラ属のうち、主に学名Vanilla planifoliaの莢果(とうか:さやに包まれた果実)です。 成熟前のバニラポッドを発酵させたものを「バニラビーンズ」といい、これがバニラの香料のもとになります。世界で2番目に高価なスパイスと言われる大きな理由が、栽培にかかる手間。収穫までに、とても長い期間と労働力が必要なのです。 まずバニラの花は、バニラの木が大株に成長しないと咲きません。花が咲くまでには3年以上かかります。でも、花の寿命はたった1日。このわずかなタイミングを逃さず、人の手を使って受粉させます。 受粉後、バニラの木は約1カ月をかけてバニラポッドを実らせます。そこから7~8カ月間待ち、成熟前の未熟なバニラポッドを採取します。この時点で、甘い香りはまだありません。 発酵と熟成が引き出す香りの深み バニラの芳醇な香りは、採取したバニラポッドを手作業で2~3週間をかけて発酵・熟成させていく中、少しずつ引き出されていきます。 つまり、採取までの期間はトータルで約9カ月。それほど手間がかかることが、バニラビーンズがサフランに次ぐ高価なスパイスといわれる理由です。しかも世界的な需要の高まりもあり、バニラビーンズの卸売価格はここ5年で約10倍に高騰。今や、銀の平均小売価格を上回る勢いとなっています。 幸福感や心地よさをもたらし、時代や性別を超えて愛される香り そんなバニラの香りは、実はバラエティに富んでいます。 皆さんがよく知っている、甘いお菓子を連想させる香りは「グルマンノート」といいますが、それ以外に木やレザー、ラムの香りがするものもあります。また、寺院でお香として用いられたり、シガーの香りづけなどにも使われてきました。 香水の歴史を彩るバニラの登場 現代の香水の世界にバニラが初めて登場したのは、1921年のことでした。「ゲラン」がその象徴的な作品「Jicky」に、バニラの香りを加えたことが始まり。以降、その親しみやすい香りは時代を超えて愛され続けてきました。...
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目次 金木犀とは 金木犀の花の活用方法。香料はもちろん薬草として食用にも 金木犀はどんな香り?開花時期はいつ? 金木犀の香りを楽しむためのアイディア 金木犀の枝を部屋に飾る 金木犀の香りを含んだキャンドルやルームフレグランスを使用する 金木犀の香りでやさしく穏やかな気持ちに ▼本マガジン記事でご紹介した商品はこちら 金木犀とは キンモクセイ(=金木犀)とは、モクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹。4~6mの高さに育ち、秋に金色やオレンジ、赤の花を咲かせます。「ギンモクセイ(銀木犀)」の変種と言われていてよく似ていますが、キンモクセイは白色の花を咲かせるギンモクセイよりも甘くフローラルフルーティな香りをより強く放つのが特徴です。 金木犀の属名の学名は、「オスマンサス・フラグランス(Osmanthus fragrans var. aurantiacus)」。「Osmanthus(オスマンサス)」は、ギリシア語の「osme=香り」と「anthos=花」が語源で、「aurantiacus」は「橙色」を表します。 英名は「フラグラント・オリーブ(Fragrant olive)」。「fragrant」は「香り高い」という意味をもち、名前からも金木犀のかぐわしい花の様子が伝わってきますね。和名は漢名「木犀」の日本語読みで、樹皮が動物のサイ(犀)の足に似ていて金色やオレンジの花が咲くことから「キンモクセイ(金木犀)」とされたと言われています。別名「モクセイカ(木犀花)」と呼ばれることもあります。 金木犀の花の活用方法。香料はもちろん薬草として食用にも 原産地の中国では、「丹桂(タンケイ)」または「桂花(ケイカ)」と呼ばれ、多くの金木犀が植林されたり自生したりしています。亜熱帯性気候と豊かな土壌、適度な雨と強い太陽に照らされる環境を好み、桂林市近郊の群山や、重慶市、成都市などに多く分布。中国と台湾の市場では、収穫し乾燥させた花を菓子や茶、最近では食品の香料として用いてきました。 ファインフレグランスの世界では、希少で高価なものとして知られている金木犀。1〜3週間ほどの花の収穫期間に、木の枝を揺らし、花をシートに落として採取されます。小さな花をつぶさないように枝や葉などの不要物をひとつひとつ手作業で除去し、フレッシュな香りを保つために食塩水に漬け込んで貯蔵されます。その後数ヶ月間かけて花から採取された香料は、世界各国に輸出されます。 日本では、観賞用庭木や公園樹としてとても人気の高い植物です。金木犀は雌雄異株の植物ですが、日本には花付きのよい雄株しか移入されていないため実を結ぶ雌株は存在しないと考えられています。ですから自然の分布はなく、すべて挿し木で北海道と沖縄以外の日本中に増やされてきました。 金木犀の花は、その芳香の持つ癒し効果が注目され、薬草として利用されることもあります。乾燥させた花はうがい薬の原料や、薬用酒の原料としてホワイトリカーに漬け込んで。ほかに、白ワインに漬けたものが桂花陳酒として売られていますね。また、桂花茶は甘い香りが濃厚で、そのまま煎じたり、紅茶や烏龍茶の香り付けとしてブレンドしたりして重宝されています。 金木犀はどんな香り?開花時期はいつ? 金木犀の開花時期は、9~10月の秋。夏が終わって、少し涼しくなってきた頃にオレンジや赤色の可愛らしい花を咲かせます。近年では、気象条件や個体の栄養状態によっては2度咲きするケースもあるようです。 花が咲き始めると、あたりには特徴的な甘い香りがふんわりと漂います。日本では、金木犀の香りが漂うと「夏の終わり」と「秋の訪れ」を多くの人が認識するほど秋の花の香りとして知名度が高く、春は沈丁花、夏はくちなし、秋は金木犀として、日本の三大芳香木のひとつに数えられています。 やさしく落ち着いた秋の香りと表現される金木犀の芳香ですが、多くの花に含まれるフローラルな香り成分のほかに、アプリコットやモモなどに含まれる甘くてクリーミーな香気成分も含んでいます。ココナッツのような香りとも言われるこの香りの成分は、ほかの柑橘やウッド系の香りとの相性もよく、じんわりとやさしい独特の甘い芳香で私たちを魅了してくれます。 金木犀の甘く落ち着いた香りは、リラックスを促すのに最適。不安や緊張が強く、夜寝つきが悪いという方は、寝る前に金木犀の香りを嗅いでみるのもいいかもしれませんね。 金木犀の香りを楽しむためのアイディア 街中の金木犀の香りから季節を感じる方が多い一方で、他にもさまざまな方法で金木犀の香りを楽しむことができます。 金木犀の枝を部屋に飾る...
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目次 ウッディノートとは? ウッディーノートの香りのイメージ ウッディーノートの代表的な原料 奥行きのあるウッドノートを楽しむ ▼本マガジン記事でご紹介した商品はこちら 樹木の皮、葉、枝などを原料とする ウッディノート。森林の中にいるような気持ちにさせてくれる木の香りは近年人気が上がってきています。 ベレアラボから新発売の、無垢材に囲まれた和の空間を想起する「FEELING MUKU(フィーリング ムク)」をはじめ、温かい木々の香りがベースとなっているベレアラボの香りをご紹介します。 ウッディノートとは? ウッディノートとは、サンダルウッドやシダーウッドなどの樹木類の香調のことです。樹木から発せられる独特の落ち着いた香りは、温かみのある雰囲気や安心感を与えてくれます。揮発性が低く比較的持続しやすい香りなので、香料の全体をまとめる存在としてベースノートに用いられることが多く、香りを安定させる役割を担うことが多いのが特徴です。 ウッディーノートの香りのイメージ ウッディノート、上品で落ち着きのある大人なムードを演出してくれます。代表的な香料としては、サンダルウッド、シダーウッド、ベチバーやサイプレス、日本人がなじみがあるものでいえば、杉やヒノキ、沈香(ジンコウ)などが挙げられます。 それぞれ原料によって特徴が異なり、「懐かしさを感じる」「温かみがあって安心する」「エキゾチック」「ミステリアス」など、香りの印象はさまざま。同じ木でも産地によって香りが異なる場合もあります。 ウッディーノートの代表的な原料 ・サンダルウッド サンダルウッドは世界で最も古い香料の1とつと言われており、日本では「白檀(ビャクダン)」の名で親しまれています。インド、東南アジアなどが産出国となる常緑樹で、ベルベットのように滑らかで、クリーミーな、温かみのある香りが特徴です。香道の世界や寺院などでの儀式で香木として古くから用いられ、扇子や仏具、建築にも使用されてきました。 サンダルウッドの木は絶滅危惧種に指定されていて、人工的な植林が難しいうえ特有の香りを放つまでに30年以上の長い年月が必要とされるため、希少な香料とされています。 ・シダーウッド シダーウッドとは広く針葉樹のことを指します。シダーウッドには、大きく二つに分かれており、バージニアシダー(モロッコ産・ヒノキ科)と、アトラスシダー(アメリカ産・マツ科)があります。バージニアシダーは削りたての鉛筆の香りとも表現されるドライでレザーのようなニュアンスを持つ香りで、アトラスシダーは、ソフトで甘さを含んだ温かみのある香りです。 ・ベチバー ベチバーとは、比較的温暖な土地に分布するイネ科の多年草のこと。樹木ではないですが、その香りからウッディに分類されます。精油は、およそ2〜3m地下に伸びる長い根から採取され、根が古いほど質の良い精油になります。 湿った土のような重厚で深みのあるウッディノートは雨上がりの土の香りを連想させます。特有のスモーキーな香りが気持ちを落ち着かせ、静かな印象を与えてくれます。 ・ウード/アガーウッド/沈香 ウードはアラビア語で、英語名はアガーウッド、日本語では沈香のことを指します。インドや南アジアに生育する木から採取される希少な香料です。その香りはとても複雑で力強く、スパイシーさや酸味をも持つ香りであるのと同時に、甘さを放ち、温かく官能的でオリエンタルな印象や優雅さを感じさせるとてもユニークな香りです。 ウードの香料はジンチョウゲ科アキラリアという生木としては香りを持たない樹木から採取します。アキラリアの樹皮は風雨などで傷がつき菌に感染すると、修復のために樹液を出します。これが固まって樹脂となり、長い時間をかけバクテリアなどの働きによって変質し、特有の香りを放つようになります。ウードが取れる木が全体の10%程しかないことから、ウード・プランテーションが作られ人工的に生産がされるようになった現在でも、ウードの生産には大変な労力が必要で希少価値が高い香料です。 奥行きのあるウッドノートを楽しむ...
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目次 沈丁花とは? 沈丁花は「三大香木」の1つ 沈丁花には精油がない!? すっきりとした甘さが魅力的な沈丁花の香り 沈丁花の香りの楽しみ方 ▼本マガジン記事でご紹介した商品はこちら 春の訪れを告げる、甘く上品な香りの沈丁花(ジンチョウゲ)。ベレアラボから新発売の、春を祝うような明るい華やぎを感じるフローラルの香り、「SHIMMERING JINCHOGE(シマーリング ジンチョウゲ)」をご紹介します。 沈丁花とは? あたたかな春風にのって、ふんわりと花や草木の香りがただよう季節がやってきました。なかでもひときわかぐわしく、爽やかな甘い香りで私たちを魅了するのが沈丁花(ジンチョウゲ)です。沈丁花の香りは、その開花の様子を見るより先に香りで知ることができることから、春の訪れを告げる香りとして多くの人に親しまれてきました。今回は、春の象徴ともいえる沈丁花について紐解いて行きます。 沈丁花は「三大香木」の1つ 沈丁花は、その香り高さから、「三大香木」に数えられる樹木の1つです。「三大香木」とは、春・夏・秋それぞれの季節に香りの強い花をつける樹木のこと。春は沈丁花、夏は梔子(クチナシ)、秋は金木犀(キンモクセイ)で、ほかに「三大芳香花」や「三大芳香樹」などとも呼ばれます。沈丁花の香りは、三大香木のなかで最も遠くまで届くと言われており、まるで千里のかなたまで香るようであることから、「千里花」や「千里香」という別名もあるほど。ちなみに、「沈丁花」という名前は、花の香りが沈香(ジンコウ)という香木に似ていることと、十字型の花弁がスパイスとしても用いられる丁子(=クローブ)を連想させることに由来しています。 沈丁花には精油がない!? 沈丁花は中国原産の常緑低木で、2月末から3月頃にかけて白やピンク、黄色の小さな花を咲かせます。関東から南の地域では、庭木や公園樹として親しまれているのでとても身近な存在ですが、実は沈丁花の精油は存在しないということをご存知でしょうか。その理由は、花や根、赤い実や樹液に至るまで強い毒性があるため精油として抽出することが難しく、安定して供給することができないからだそう。沈丁花の香りは香料を組み合わせることで人工的に再現されています。小さな鞠のように可愛らしく花を咲かせる様子とその上品な香りから、毒性を持つことは想像しにくいかもしれませんが、手入れをするときは手袋が必須で、花や樹皮に触れたり、実を口に入れたりは御法度。春先に沈丁花の香りを実際に楽しむ際には、この点を心に留めておくといいでしょう。 すっきりとした甘さが魅力的な沈丁花の香り 沈丁花の香りは、甘いフローラルの香りに加え、シトラスやグリーンの爽やかな要素を併せ持つことが特徴的です。甘さと爽やかさを併せ持つことから、キラキラと煌めくフローラルとも表現されます。名前の由来でもある「沈香」にも似た優雅さや上品さを感じることができ、心地よい安らぎ感に包まれるでしょう。べレアラボの「SHIMMERING JINCHOGE(シマーリング ジンチョウゲ)」は、春の光を浴びてキラキラと輝く花々をギュッと詰め込んだような心踊る香り。 マスター調香師クリストフ・ロダミエルが、東京に咲く沈丁花の香りを自らの鼻で「ヘッドスペース分析」を行い、香りを再構築しています。ヘッドスペース分析とは、自然に咲く花などの植物そのものの香りを空気中で採取し分析する方法。植物を傷つけることなく揮発成分のみをとらえて分析することで、生きたままの自然な香りを再構築できる環境に優しい技術です。環境保全につながる「グリーンテクノロジー」とも呼ばれています。沈丁花の香りに重なるのは、ふんわりとやさしいミモザと水仙、甘酸っぱい梅の花。そしてこれらの彩り豊かなフローラルノートをシャンパンアコードで華やかに演出しています。シャンパンアコードは、ワインポマース(ワイン粕)をアップサイクルして採取された香料を用いて作られており、シャンパンの泡のような弾ける明るい香りで、春を祝う華やかな気分へと盛り上げてくれます。 沈丁花の香りの楽しみ方 沈丁花の芳香に胸が高鳴る春は、外でお花見を楽しみたいという方も多いかもしれませんが、気温が安定しにくく、寒暖差が大きいのも春の特徴。お部屋に香りを満たし、寒さ知らずでゆったりと春の訪れをお祝いしてみるのもよいものです。また、この時期からはじまる花粉対策に頭を悩ませている方には、花粉を除去できる空気清浄機能が付いた、「ラバロック ミニ アロマディフューザー」がおすすめです。5層構造の空気清浄フィルターが、花粉をキャッチしてキレイな空気とともに香りを排出してくれるので、花粉症が辛い方の強い味方に。さらにマイナスイオンも出してくれるのも嬉しいポイント。香りを楽しむアイテムを上手に活用して、春のお花見気分を存分に味わってみてはいかがでしょうか。 ▼本マガジン記事でご紹介した商品はこちら SHIMMERING JINCHOGE /...
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自己肯定感を高めてくれるゼラニウムの香りとは?ゼラニウムの精油は、茎と葉を水蒸気蒸留法で抽出して採取され、甘いバラのようなフローラルノートに、フレッシュなグリーンのハーバルさが混ざったような香りが特徴。中世ヨーロッパでは、玄関にゼラニウムを植えて魔除けにしていそうです。BÉLAIR LABが使用しているエジプト産ゼラニウムの精油は、サステナブルな香料である認証、フォーライフ認証を取得した原料です。お部屋で使用することで自己肯定感を高めてくれることでしょう。
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目次 イランイランとは 持続可能性を考慮した収穫と抽出 センシュアルな気分を演出するイランイランを空間に取り入れるなら イランイランとは イランイランとは、バンレイシ科イランイランノキ属の樹木に咲き、古くから熱帯域で栽培され、ヒトデのように巻き上がり縮れた形状をした黄色(黄緑色)の花です。 イランイランは、タガログ語で「花の中の花」という意味。その語源は、自然の生息地を意味する ”ilang(荒野)”、またはその特別で繊細な香りを示唆する”ilang-ilan(希少)”に由来しています。主な産地は、フィリピン、レユニオン、マダガスカルで、インド洋周辺では宗教的な供物としてよく使われています。また、インドネシアでは新婚初夜の夫婦のベッドの上に、イランイランの花を撒く風習もあります。 イランイランは、化粧品の原料や香水の香料として、また芳香療法にも取り入れられるなど長く愛されてきた香りです。香水に使う場合はオリエンタルノートや重厚なフローラルノートに起用されています。 イランイランの香りは、心を落ち着かせながらも気分を高揚させ、楽しさや喜びの感情をもたらすとされており、そのオリエンタルで心地よい甘さの香りは、フェミニンなエネルギーや官能性を高めてくれるとも言われています。 持続可能性を考慮した収穫と抽出 ベレアラボが空間用の香りとして採用しているイランイランは、インド洋の西に位置するマダガスカル島で栽培されています。 イランイランの精油は、水蒸気蒸留で抽出されます。イランイランの花は香りが最も強い、朝5時〜8時の間に手摘みされますが、傷ついた花がひとつでもあると蒸留した精油の品質を落とす原因になるため、成熟した花だけを慎重に採取し、未熟な花を傷つけないように細心の注意を払って摘み取られます。摘み取った花はすぐに蒸留所に運ばれ、20時間後にようやく100kgの花が1kgの精油になるのです。 サステナブル認証であるFor Life認証を取得しているこのイランイランの精油は、生産者と直接パートナーシップを結ぶことでイランイランの木の植樹や栽培、そして農家と摘み取り人の長期的な収入を保証する持続可能な仕組みが土台として構築されています。 センシュアルな気分を演出するイランイランを空間に取り入れるなら イランイランの香りは、空間の香りに華やかさと官能的なインパクトを与えてくれる存在です。仕事の後やオフタイムに、ルーム スプレーやフレグランスオイルで、お部屋の香りを『PURIFYING GINGER / ピュリファイイング ジンジャー』に変えてみてはいかがでしょうか。 『PURIFYING GINGER / ピュリファイイング ジンジャー』は、サステナブル香料である、貴重な生のジンジャーをスライスして抽出したエネルギーに満ちた精油をメインとし、濃厚な甘さのイランイランの香りや、ローズ、ゼラニウムなどがブレンドされています。上品な華やかとシルクのような滑らかさがセンシュアルな気分を盛り上げてくれることでしょう。 PURIFYING GINGER /...
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ベルガモットとはどんな果実か、昔から香りが重用されてきた歴史とともに、お部屋にベルガモットの香りを取り入れるおすすめの方法をご紹介。
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